グイッと腕を捕まれ、ずんずんと歩き進める尚くんに引っ張られるがまま。
連れられたのは、人気のない路地裏。
さらに進んで、建物と建物の間の狭いスペースに追いやられる。
そこでやっと腕を離されたかと思うと、尚くんは足を止めた。
そして私は壁に追い詰められて。
「えっ」
そして尚くんがこちらに向かって手を伸ばし、いわゆる壁ドンという体制になった。
な、なにこの急展開…!?
ただでさえ近い距離に、心臓が破裂しそうなのに。
尚くんは容赦なくグッと距離を詰めてきて。
その綺麗な顔が目の前にあるものだから、湯気が出そうなくらい体が熱を発しはじめた。
「な、なおくっ」
顔を逸らすけれど、甘いバニラの香りからは逃げられない。
