「いやぁ、本当、超よかったよね…」
そこには高校生がたくさんいて、女の子のほとんどが尚くんに視線を奪われている。
やっぱり尚くんは、誰が見てもかっこいいらしい。
「何回でも観れる気がするよ」
…それにしても。
さっきから、私ばっかり話してる。
隣に座る尚くんはポケットに手を突っ込んで、近くを歩いているハトを目で追っていて。
そんな尚くんを見ていると、自分の本来の目的が、尚くんに本気の恋愛の良さを伝えることだ、ということを思い出した。
だけどもう少しだけ、余韻に浸らせてほしい…!
「主人公が流した涙に彼氏がキスをして、しょっぱって笑ったところ、キュンキュンしたよね…」
「いや斬新すぎたわ」
尚くんは、ふはっと、笑った。
こちらに顔を向けるハトの目でさえ、ハートの形に変わったような気がする。
