わたしには刺激が強すぎます。



***


「めっちゃ泣いちゃった…」


映画館を後にすると、空はオレンジに染まっていた。
映画の内容はというと。


「もう、最高だった…!」


実写化大成功。
原作を知っていても何の違和感もなく観れる、期待通りの完成度で。
展開が分かっている私でも、原作に出会った頃のようにドキドキすることができた。


さっきまで涙で濡れていたところが、風に当たると冷たい。
私はセーターの裾をちょっとだけ伸ばして、頬に当てる。


「尚くん、あそこ座ろ」


この後はどこへ行こうとも決めていなくて、とりあえず目に入った、ベンチがたくさん置いてある商店街の休憩ゾーンで腰を下ろした。