「菅原ぁ。せめて1限目には間に合ってくれよ…。」
「すみません…」
「だいたいお前はなぁ────」
たまたま担任の受け持つ現代社会が1限目だったせいで、ガミガミと長い説教が始まった。
みんなの前で、それも授業中なのに。
だけどそんな説教話は右の耳から入って左の耳からスーッと、ただ通り抜けていくだけ。
頭の中はさっきの出来事でいっぱいだった。
「先生の授業だったからいいものの────」
大人ってどこでもあぁいうことをするものなのかな。
…いや、それはないか。
顔に熱が上るのを感じると、首をブンブンと横振った。
忘れろ、忘れろ…!
「─────お前といい、木下といい…もう少し先生の気持ちを考えてくれよ。」
「あ、木下…くんもまだ来ていないんですか?」
