わたしには刺激が強すぎます。



いつも教室では隣にいる尚くん。


私より遅刻常習犯で、友達と騒いでいるところも見たことなくて、休み時間はいつもいなくなって。
教室にいても携帯をいじるか寝ているかで、少し話しかけづらい雰囲気を纏っている。


だから知らなかった。
こんな表情をする人だったなんて。


尚くんは、艶っぽい顔をして先生に長いキスを落とすと、少しだけ口角を上げ意地悪に笑った。


その瞳はまるで獲物を目にした獣のように鋭いのに、先生の髪に触れる手はガラスを扱うかのように優しい。


何を見せられてるの、私。
だけど目が離せない…。


──────パチリ。尚くんともう一度目が合ったかと思うとすぐ、その間にカーテンが壁を作った。


「カーテン、閉めるの忘れてたね。…尚。もう一回……」