耳に入ったその名前に、反射的に縮こめていた体の力が緩む。 三角座りのまま、顔だけ振り返るとそこにいたのは…紛れもなく、隣の席の尚くんだった。 バッチリ目が合った。完全に。 だけど尚くんは動揺する様子はない。 動揺するどころかむしろ、こちらに向かって微かに笑ったように見えた。 先に目を逸らしたのは、私。 な、なんで…?絶対気付いたよね!? なんで、無反応…?