見られてはいけないことをしているのはベッドの上の男女のはずなのに、パニックな私はいつの間にかそんな判断もつかなくなっていた。 静かにドアの方へ向き直ったつもりだったけれど、女は微かな音を聞き取ったらしい。 「…なんか今、音しなかった?」 ドキーーー!!!!!!! 心臓が胸を突き破って飛び出しそうになる。 ダメだ、もうダメ………。 「だから集中してって。何回言ったらわかんの?」 「ごめんね、でも…」 た、助かった…。 男の方が鈍感でよかった。 …なんて。 そう思ったのは束の間だった。