お弁当を取り出そうと、鞄に手を伸ばした時。 ──────ガタン。 隣の席で音がした。 怖くて見れないけれど、きっと尚くんが来たんだ。 ドキドキドキドキ。 鼓動がはやくなる。 だけどその音を掻き消すかのように聞こえたのは。 「おい」 聞き飽きた、低い声だった。 「げ。」 「だからその反応やめろや。喜べよ、彼氏様が来てやったんだぞ」 「なっ」 思わず大きな声が出た。 だって、こんなの、尚くんに聞こえるじゃん…!