「そ、そこで。ふたまた…かけられてみませんか?」
恐る恐る言ったけれど、やっぱり尚くんは無反応で。
怖くなった私はどんどん早口になっていく。
「まだ少し尚くんのことも忘れられないから、せっかくだし私も禁断の恋経験してみよっかな、なんて…」
自分がおかしいことを言ってるなんて、わかってる。
やっぱりこんなことで振り向いてくれるわけない。
笑っていないと泣きそうで。
ヘラヘラしている私が、頭を掻くと。
その腕が尚くんにさらわれた。
「えっ…?」
「おもしろいじゃん。」
尚くんが、獣の目をした。
心臓がドキリと跳ねる。
腕に込めらる力が強くて、痛い。
