ぺちゃんこに潰れたクッションを乱暴に投げつけられ、座布団がわりにして座った。
「…で。何かあった?」
ベッドに寝転ぶ真琴は、鋭い目を私に向ける。
「木下尚と遊んでたのか」
「な、なんで知っ…」
「ゆりに聞いた。そいつが変な奴ってことも全部な。」
木下尚って。名前を聞くだけでもう、心臓をつねり上げられるような感じ。
好きなのに、今はその名前を聞きたくない。
俯く私に、真琴は辛辣な言葉を投げつける。
「見たことないスカート履いて。似合ってねーよ」
「うっさい!」
頑張ったんだよ、これでも。
昨日いろんなお店を見て。
悩んで悩んで買ったんだよ、この服も。
尚くんのことを考えながら。
