私の隣の席が埋まったのは、1限目が終わる直前だった。 颯爽と、嫌味なくらい整った顔をしてやってきた尚くんに、呆れた先生は怒ることすらしなかった。 別に、いつも通りのことだ。 尚くんが遅れてやってきて、私の隣に座ることなんて。 だけど今日はなんだか過剰に反応してしまう。 なんか制服乱れてない? …バニラの香り、してない?