先生は溺愛ダンナさま  旅行編

部屋に入ってくるなり彼はベッドにいる私の隣に横になる。そしておもむろに抱き寄せられた。


「おかえり、理人さん」


「おまたせ」


顔を見合わせると優しくおでこに口づけされた。


愛おしそうに髪を撫でる手が洋服の方へ滑り降りてきたので、慌てて身をよじる。


「待って、あの話が」


「え、もう待てないよ」


指先で私のワンピースをなぞりながら答える彼は、完全にその気になっている。


「じゃあすみれは話してていいよ、聞くから」


首筋を愛撫されてヒャッて声がでそうになる。


「あのね、お客さんがきたよ」


恥ずかしくて視線を逸らしながら小さく呟く。


「そう、誰?」