はひゃー、どうしよう今日もめちゃくちゃカッコいいんですけど。


「は、はい。源氏物語の中で先生の好みのタイプの女性は誰ですか?」


「・・・」


口を小さく開いた彼は、じっと私の瞳を見据えている。


「あ、授業の内容の質問ですよ」


「そうだね、僕は一見はかなげに見えて芯の強い女性に心打たれるかな。物語の中で言えばね」


桜木先生は頭のいい人だから慎重に言葉を選んでいるように見えた。


「そうなんですか。私、おとなしく見えるけどこう見えてガッツはあるタイプなんです」


「・・・そう」


ちょっと引き気味の先生は苦笑している。


「面白い子も嫌いじゃないよ」