「あんたなにを目指しとんの?」
表情がわからないくらい伸びた髪と
汚らしい無性髭を見て彼女はそう言った。
「こうでもしてないと生きていけない。
でもこうしてても生きていけない。」
それは久しぶりに本心であったが、
やはり格好はつけていた。
彼女は嘲笑うかのように「そうか。」と吐き僕に背を向けた。
久しぶりに本心を言えたことに少し心が和らいだ。
そしてやっぱり言えなかった本心にもう一重に鎖がかかった。