先輩と、一時間。






気まずい空気が、私たちの間を流れる。

「さっきはありがとうございました」


一応お礼は言っても、勝手に先輩の学校に来て、勝手にトラブルに巻き込まれただけで……
自業自得なんだよな。



「……あの、私。
先輩に言われ――」
「俺、クサかったよな」

「へ?」

「『手ぇ出すな』とか、クサすぎだよな。
黒歴史決定だわ!」


そう言って大袈裟に頭を抱える先輩が可笑しすぎて、自然と笑みがこぼれた。


「ですね。ちょっと少女漫画っぽいなって思っちゃいました」

「嘘だろ?里歌、ひどいって!」

「んふふ!でも、クサい先輩もカッコ良かったですよ」


私がそう言うと、先輩は顔を真っ赤にしてうつむく。