先輩と、一時間。

「俺は里歌のことが好きだよ?
釣り合ってないとか、そんな事考えたこともない」


「じゃあ、なんで学校の前を通っちゃいけないの?」



うぅん……と唸った先輩は、姿勢を正した。

私も慌てて背筋を伸ばす。



「あんまりさ、里歌を心配させたくないから黙ってたんだけど」

うん、と声にならない声を出して頷く。



「俺さ、イジメられてるの。
で、俺、里歌のことが好きだから、心配させたくないし、弱いところも見せたくない。
それでこの事を黙ってた」


「そんな……」


「ごめん。ほんっとうにごめん」