先輩と、一時間。






「里歌、お帰り」


「なんで……」




私が先輩と会わなくなってから一ヶ月くらい経った時。

放課後、私たちの家の最寄り駅に、先輩はいた。





「今日は学校が午前中で終わったから、ここで里歌を待ち伏せしてた」



午前中で学校が終わったということは、この駅に着いたのは一時頃。

まだ制服だし、荷物も持ったままだから……







「え!四時間くらい待ってたんですか?」


「うん。まぁね」

照れたように先輩は笑った。