「ねぇ、なんで今日遅刻してきたの?しかも、片桐なんかと一緒に」



「別にただ寝坊しただけよ」



予想通り、由果の質問攻めが始まった



「でも、なんで片桐なんかと一緒に?」



「あいつも寝坊したんじゃない?」



私はスタスタと廊下を歩いていった



後ろで由果が『待ってよー』って叫んでいる



今は移動教室で理科室に向かっている



今日は班ごとの実験らしい



教室に着いたら、生徒がちらほらと座っていた



「何処座る?」



私は由果に聞いた



「んー…あっ、あそこ!!」



「あそこ?」



由果が指差した先は…



げっ…



片桐翔吾…



「由果?正気?頭大丈夫?」



「まぁ、失礼ね!!」



だって、なんでわざわざあいつの近くに座らなければいけないのだ?