コイッペキ

哀れむ目でヒナは折本を見た。
折本は、「はぁ?」とヒナを睨む。
「私はエマの被害者だと思ったことなんて一度もありません。あなたと一緒にしないでください」
「はんっ。そういうこと言うから偽善者って言われるんじゃない?」
「どうぞ、偽善者でも何でも勝手に言ってください。ただ、折本さんはエマのせいにしているだけでしょう?」
ヒナは大声を出す。
「自分が上手くいかないことをエマのせいにしているだけでしょう? エマのせいにして。それで、折本さんは今、幸せですか?」
急にヒナが反撃し始めたので。折本は黙り込む。
「学祭だって、元はと言えば、あなたがちゃんと自己管理してないからでしょう? たとえ、学祭が駄目でも、まだ他にチャンスはあったわけでしょ? 先生やピエールに訴えたんですか? あなたは動いたんですか? 主役がやりたいって」
「…そういう問題じゃないわよ!」
折本が負けじと大声を出す。
「あの子のせいよ。あの子が演劇部に入部したせいじゃない。誰も私に関心を持たなくなった。演劇部は私にとって唯一の居場所だった。全部、全部あの子のせいでしょ?」
「それは、折本さんの人柄でしょう?」
「何よ、人柄って? この偽善者、ブス! シオン君にまとわりつかないで!」
最早、悪口合戦に差し掛かろうとしていた。

「彼女の言う通りだよ。折本」