ヒナが時間を忘れて懸命に練習していると。
館内を巡回していた警備員の人に「もう遅いから…」と注意されてしまった。
急いで部屋に戻ると。
まだ、明かりがついていたので。
ヒナは「あれ?」と思った。
部屋に入ると、ベッドの上で。
どことなく思いつめた表情をしたエマの姿があった。
「ヒナちゃん、遅い!」
第一声で、エマが怒っているのがわかった。
「ごめん、ちょっと練習してた…」
ヒナが謝ると。
エマは「ま、いいけど」と視線をそらした。
「ちょっと、ヒナちゃんに話があるんだけど」
ふぅ…とため息をついてエマが言う。
「話…?」
ヒナはエマの隣に座った。
エマの髪の毛からシャンプーの良い匂いがする。
すっぴんでこれだけ美人なエマに見とれてしまいそうだとヒナは思う。
「良い機会だから、ちゃんと話そうと思うんだ」
「ん?」
ヒナは首を傾げた。
「3年前の学祭のこと、ちゃんとヒナちゃんに話そうって思ってたの。もしかしたら、ヒナちゃん知っているかもしれないけど」
「いや…、知らないけど」
なんとなく、ユリナから何か事件があったということは聴いていたが。
まさか、エマの口から聴く日がくるとは。
「ずっと、合宿前から考えてた。ヒナちゃんに話そうって」
「エマ…」
エマはスーハーと深呼吸をした。
「3年前、ヒナちゃんが北海道に行っちゃって。私はこの学院の中学生に上がって。演劇部に入部したの。そこまでは手紙で話したよね?」
「うん」
「1年生はね、基本的に舞台に上がることは出来ないの。下っ端扱いというか…、裏方の仕事をしたり経験を積んで2年生から演じることができるの」
いつになく丁寧なエマの説明だった。
「演劇部は毎年、学祭で劇を披露するんだけど。その年の学祭の劇で主役を演じるはずだったのは折本先輩だったの」
おりもと…。
ヒナは心の中で復唱した。
「折本先輩って、さっきシオン君にくっついていた・・・」
「そうなの。折本先輩」
興奮したようにエマが大きい声を出して、「あ…」と急に口元をおさえた。
もう夜中だ。
流石に声のトーンを抑えなければと思ったのだろう。
「ちょっと待って、エマ。折本サンって一般コースじゃなかったっけ?」
「それについては、これから話すから!」
中学校で先輩だったのならば、中高一貫コースのはずだ。
そうなると自然とシオンと折本は同じクラスになる確率は高い。
でも、彼女は確か一般コースの生徒だ。
「あのね。ヒナちゃん。折本先輩って美人じゃない?」
「え、そうかな…」
確かに綺麗な顔をしているが。
折本の言動に引っ張られて、ヒナは頷くことが出来ずにいた。
「折本先輩は誰もが認める存在だった。必然とね、学祭で主役は誰になるんだろうって考えた時、演劇部全員が折本先輩だろうなって思ったくらいなんだ」
「そうなの…」
「あの頃の折本先輩は優しかったよ。後輩の私達にも優しくしてくれたの。でも…」
「……」
ヒナは、嫌な予感がした。
館内を巡回していた警備員の人に「もう遅いから…」と注意されてしまった。
急いで部屋に戻ると。
まだ、明かりがついていたので。
ヒナは「あれ?」と思った。
部屋に入ると、ベッドの上で。
どことなく思いつめた表情をしたエマの姿があった。
「ヒナちゃん、遅い!」
第一声で、エマが怒っているのがわかった。
「ごめん、ちょっと練習してた…」
ヒナが謝ると。
エマは「ま、いいけど」と視線をそらした。
「ちょっと、ヒナちゃんに話があるんだけど」
ふぅ…とため息をついてエマが言う。
「話…?」
ヒナはエマの隣に座った。
エマの髪の毛からシャンプーの良い匂いがする。
すっぴんでこれだけ美人なエマに見とれてしまいそうだとヒナは思う。
「良い機会だから、ちゃんと話そうと思うんだ」
「ん?」
ヒナは首を傾げた。
「3年前の学祭のこと、ちゃんとヒナちゃんに話そうって思ってたの。もしかしたら、ヒナちゃん知っているかもしれないけど」
「いや…、知らないけど」
なんとなく、ユリナから何か事件があったということは聴いていたが。
まさか、エマの口から聴く日がくるとは。
「ずっと、合宿前から考えてた。ヒナちゃんに話そうって」
「エマ…」
エマはスーハーと深呼吸をした。
「3年前、ヒナちゃんが北海道に行っちゃって。私はこの学院の中学生に上がって。演劇部に入部したの。そこまでは手紙で話したよね?」
「うん」
「1年生はね、基本的に舞台に上がることは出来ないの。下っ端扱いというか…、裏方の仕事をしたり経験を積んで2年生から演じることができるの」
いつになく丁寧なエマの説明だった。
「演劇部は毎年、学祭で劇を披露するんだけど。その年の学祭の劇で主役を演じるはずだったのは折本先輩だったの」
おりもと…。
ヒナは心の中で復唱した。
「折本先輩って、さっきシオン君にくっついていた・・・」
「そうなの。折本先輩」
興奮したようにエマが大きい声を出して、「あ…」と急に口元をおさえた。
もう夜中だ。
流石に声のトーンを抑えなければと思ったのだろう。
「ちょっと待って、エマ。折本サンって一般コースじゃなかったっけ?」
「それについては、これから話すから!」
中学校で先輩だったのならば、中高一貫コースのはずだ。
そうなると自然とシオンと折本は同じクラスになる確率は高い。
でも、彼女は確か一般コースの生徒だ。
「あのね。ヒナちゃん。折本先輩って美人じゃない?」
「え、そうかな…」
確かに綺麗な顔をしているが。
折本の言動に引っ張られて、ヒナは頷くことが出来ずにいた。
「折本先輩は誰もが認める存在だった。必然とね、学祭で主役は誰になるんだろうって考えた時、演劇部全員が折本先輩だろうなって思ったくらいなんだ」
「そうなの…」
「あの頃の折本先輩は優しかったよ。後輩の私達にも優しくしてくれたの。でも…」
「……」
ヒナは、嫌な予感がした。


