コイッペキ

シオンが出ていくと。
玄関のドアが開く音が聴こえた。
エマとヒナはお互いの顔を見合わせて。
玄関の外に出た。

シオンが、箕輪家のインターホンを何度も押していた。
ピンポン。
ピンポン。
ピンポン。
シオンが怒っているのは、ヒナの目から見ていてもすぐにわかった。
長年の付き合いだ。
すぐにわかる。

ホタル、どうか出てこないで・・・

切実にヒナは思ったが。
「はーい」
と言って、ホタルが玄関のドアを開けた。
「あ? シオン?」
スーツ姿のホタルが出てくるのと同時に。

どーん!!

シオンが手を拳にして。
ホタルを思いっきり殴った。

「え、シオン君!?」
「シオン!!」
ヒナとエマが叫ぶ。
玄関に吹っ飛ばされたホタル。
倒れこむホタルの胸元をシオンが引っ張る。
「あのさ、いくら兄妹だからって」
「あ?」
「顔は駄目だろうが!」
そう言って。
シオンはホタルの頭に頭突きを喰らわせた。
「何するの、シオン!」
エマがシオンの身体に抱きつくと。
「うるさい」
と言って。
自分の家へと戻って行く。

「ホタルさん、大丈夫?」
エマがホタルに駆け寄る。

何て日だ…。
ヒナは茫然と立ち尽くすしか出来なかった。