コイッペキ

「じゃ」
それだけ言うと。
ささっとシオンはドアを開けて中に入ってしまった。
急に不機嫌になったシオンに首を傾げながら。
ヒナは、「ただいまー」と言ってドアを開ける。
玄関には、見覚えのある靴が置いてある。

「ただいま」
靴を脱いで。
リビングに直行すると。
そこには、ソファーにちょこんとエマが座っていた。
「ヒナちゃん、お帰りー。どうだったぁ?」
「…エマ」
無邪気な表情でヒナを見つめるエマ。
エマを見たヒナは、その場にしゃがみ込んだ。
「どうして、うちにいるの?」
「えー、そりゃヒナちゃんが心配だから待ってたの。ちょうど、ホタルさんがお昼一緒にどうって言ってくれたし」
振り返ると、ダイニングにいたホタルがヒナにウインクした。

「で、どうだったの。シオンとのデート?」
「・・・・・・うん。・・・うん?」
ヒナは今日一日あった出来事をどう説明していいのか、わからなかった。