コイッペキ

付き合いたい。
さっきのって告白だよね?

時間が経つと同時に。
急に恥ずかしくなって心の中で「きゃー」と叫ぶヒナ。
そんなニヤけたヒナを冷めて見ているのは・・・
「ねえ、ヒナちゃん。さっきの男子って誰?」
「え、エマ。いたの!?」
隣を見ると、ちゃっかり。エマが座っているではないか。
バスは赤信号になって。ゆっくりと停車する。
確か、一人でバスに乗ったはず。
「やだなー。ヒナちゃん。学校から一緒に帰ってるじゃん」
エマが綺麗なカオをして口を尖らせる。
「え、いつからいた?」
驚く、ヒナ。
「えー。ヒナちゃんが中庭で男子と喋ってるところから」
「え、エマ。見てたの!?」
思わず、大きな声が出てしまう。
「見てたというか、視界に勝手に入っただけ」
急に怒り出したかのように、エマが不機嫌になった。
「ヒナちゃん、告白でもされたの?」
「え!?」
「そっかー」
急に黙り込むエマ。
そして、停車ボタンを押して。
ヒナとエマは、バスを降りた。
バス停からマンションまでは5分ほどだ。


エマはカバンを肩にかけた。
「ヒナちゃんが彼氏出来ちゃったら、さみしくなるなー」
「彼氏って、そんな…」
考えてみてもいなかった「彼氏」という単語に慌てふためくヒナ。
「エマ。私にはしおんく…」
「なに?」
ヒナは言いかけた言葉を飲み込んだ。
私にはシオン君しかいないから。

何故か、エマにはっきりと言えなかった。