コイッペキ

夕飯を食べ終えて。
お風呂に入って。
机に向かって、ガリガリとただひたすら勉強する毎日。
自分で決めたノルマを達成出来たら。
ようやくベッドに倒れこんで眠る。
朝、バタバタと支度をして。
ホタルが作った朝食を食べ終えて。
玄関のドアを開ければ。
エマとヒナがいる。
「おはよう、エマ」
「おはよー。ヒナちゃん」
3人いるはずなのに。
いつも会話するのは、ヒナとエマだけ。

どうして、こんなに近くにいるのに。
喋れないのだろう?
話しかけても無視されるし。
目があったら、そらされてしまう。
頑張っても。
シオンは自分を見てくれない。

「はぁぁぁぁ」
教室でため息をつくヒナ。
「箕輪さん」
そこに現れるクラスメートの男子。
「何?」
うつろな目で見上げると。
そこに立っていたのは、確かナカヨシ君と仲の良い…
名前がわからない。
「ちょっと話があるから。放課後、中庭で待ってて」
「は?」
それだけ言うと。
男子生徒は、自分の席へ戻っていく。
「え…と?」
名前が思い出せない。