コイッペキ

委員会議は20分ほどで終わった。
これから月に一度、このクラスで各学年の学級委員が集まって委員会議が行われるそうだ。
「じゃあ、お疲れー」
そう言って。ナカヨシはすぐさま教室を飛び出していく。
「シオン君、帰ろう」
周りに人がいなくなったのを見計らって。
ヒナはシオンに声をかける。
シオンはヒナをチラリと見て歩き出す。

教室を出て、階段を下りて。
ヒナは、シオンに「ちょっと、待ってて。靴に履きかえてくる!」
と言ってダッシュする。
全力で走り去るヒナを、じっと眺めながら。
シオンはゆっくりと下駄箱へと向かう。
ヒナは猛ダッシュして、上履きから靴に履きかえて。
再び、シオンのいる一貫コースの校舎に向かおうとすると。
シオンが前に立っていた。
「焦らなくていいから」
はっきりと、シオンが言った。
「喋った・・・」
ヒナは思わずニヤけそうになる。
再会して初めてかもしれない。
まともに喋ってくれるのは。

シオンの横に並んでヒナは歩き出す。
気づけば、自分よりも背の高くなったシオン。
「シオン君、図書委員になるのかと思った」
ニヤける顔を必死に抑えながら。
ヒナが言うと。
「…ジャンケンに負けたから」
一言。
無表情でシオンが答える。
校門を出て。
バス停に並ぼうとすると。
シオンは「そんじゃ」とだけ言って。
ヒナのもとから離れて去っていく。
「え!? シオン君帰らないの!?」
てっきり、2人きりで帰れると思い込んでいたヒナは。
シオンの背中を見ながら思いっきり叫んだ。
「シオン君!?」
すたすたと、シオンは歩いて行ってしまうのであった。