紅茶と喧嘩

「え?ごめんね。ハーブティー嫌いだった?
あ、待って新しいやつ入れてくるから。」

そう言い、彼のカップを取ろうとすると

「…違うんです、嬉しいんです。ありがとう。
…あったかいな。…うん、美味しい。」

少しずつ飲む姿が小さい子どもみたい。

「…ぼくの家はいつだってあったかかったんですよ?でも、壊れちゃいました。
…簡単に儚いものだった。」

ぽつりと語り出した彼の過去。

大丈夫、ちゃんと聞くよ。
そう言い、彼の肩をトントンと叩いた。