後輩くんは溺愛を隠せない



ずっとここで待たせるのは......そう言いかけた時、夏樹くんが遮るように言った。



「紗知先輩、さすがに中に入ったら俺抑えきれないと思うんです。紗知先輩も、俺に襲われたくは無いですよね?」


「あっ......」


そこまで言われて、初めて気づく。


そうだよね、夏樹くんに限って、襲うなんて事はないと思うけれど、なんとも思っていない女の子の、一人暮らしの部屋に入るわけにはいかないよね。


この時、私が夏樹くんの部屋に泊めてもらった事は頭から抜けていた。



「す、すぐ準備してくるから!」


「ゆっくりでいいですよ~」



バタバタと部屋に駆け込むとき、夏樹くんの声が閉まるドアの隙間から聞こえた。


ゆっくりでいいと言われたって、長く待たせるわけにはいかない。


急いでシャワーを浴びて、着替える。


コーディネートを考えている時間は無いので、淡い水色の膝丈ワンピースにカーディガンを羽織った。


軽くメイクをして、髪を巻く時間は無いのでポニーテールに結く。