「うん。そりゃあ、夜だしいつも暗いよ?」
「はぁ......」
確かに、夜は真っ暗だ。
ここは栄えている駅ではないし、街灯も少ない。
暗くなるのは当たり前だ。
「紗知先輩、帰りは俺が送るので勝手に帰らないでくださいね。もちろん、遊びに行って帰りが遅くなる時も、1人になるなら連絡してください」
「なんで?」
別に暗いところが苦手って訳でもないし、子供じゃないんだから、1人でも帰れる。
「なんでもです。約束ですよ」
夏樹くんが念を押すように言ったところで、家に着いた。
「ここだよ」
ちょっとオシャレな見た目のアパート。
共通の玄関の鍵を開けて、階段を上がる。
3部屋あるうちの一番奥が私の部屋だ。
鍵を開けて中に入った。
「準備するから、ちょっと待っててくれる?」
外で待たせる訳にもいかないと思い、中に案内しようとした。
「いや......、俺はここで待ってます」
夏樹くんはなぜか、1歩も中に入ろうとはしない。
「でもーー」



