後輩くんは溺愛を隠せない



一瞬、何を言われたのか分からなかった。


目の前には、キラキラと輝く指輪が差し出されている。


びっくりしたのと、嬉しさで涙が溢れてくる。


私も好きと伝えたいのに、声が出せない。


返事がない私を変に思ったのか、頭を下げていた夏樹くんが、チラッと私を見た。



「えっ、紗知先輩なんで泣いてるんですか?そんなに嫌でした?」



焦ったように落ち込んだ夏樹くんに、私は必死に首を振る。



「ち、違うの、嬉しくて......」



私はそう言いながら、夏樹くんに勢いよく抱きついた。



「ちょっ!紗知先輩?」


「夏樹くん、私も夏樹くんが好きです!」



涙で声が変になりながらも、必死に返事を返す。



「私で良ければ、よろしくお願いします」



私のその返事に、今度は夏樹くんが固まった。


私は抱きついたまま、夏樹くんの顔を見上げる。



「本当に?」



未だに信じられないとでも言うような顔で、夏樹くんが言った。



「うん、本当に」



私のその返事に、夏樹くんは今までに無いくらいの笑顔になる。