「まだ、私の気持ちは伝えられていないけれど、その人と話をするだけで......その人の行動を見るだけでドキドキするんです」


「うん。知ってたよ」



私の気持ちを知った瀬田さんは、優しい顔になっていた。



「さっちゃんが好きなのは、あのイケメンくんだよね？」



ここまで来たら、隠すつもりはない。



「はい」


「俺に告白されて、少しは考えてくれた？」


「もちろんです。告白してくれた事は嬉しかったし、瀬田さんのことは嫌いじゃないです。でもそれ以上に、夏樹くんのことが忘れられなかったんです」



春奈に相談するまでは、瀬田さんに告白されたことで、頭がいっぱいだった。


好きと言われて、もちろん嬉しくもなった。



「そっか、さっちゃん、ちゃんと考えてくれてありがとう。次はさっちゃんの番だよ？」



瀬田さんはそう言って、私の後ろを指さした。


どういうことだろう？と後ろを振り向いてみると、そこには、息を切らした夏樹くんが居た。