「紗知先輩、俺こっちから撮っていきますね」


「分かった、私は反対から行くね」



私達は店内で別れて、今居るお客さんに断りを入れてから、それぞれが店内や商品の写真を撮っていった。


店内に、カシャカシャとシャッター音が鳴り響く。



「夏樹くん、上手く撮れた?」


「はい。撮れました」


「じゃあ、そろそろ行こうか!他のお店も見に行かないとだしね」


「わかりました。俺、挨拶してくるんで、紗知先輩先に外出ててください」



夏樹くんはそう言って、最後に店員さんに挨拶をしに行った。


私は、夏樹くんに挨拶を任せて、先に外に出る。


成功体験になって、良かった。


私は見ているだけだったけれど、たぶん夏樹くんよりも、緊張していたと思う。


ハンカチを出して、いつの間にか出ていた手の汗を拭った。


それから、5分ほどして夏樹くんが出てきた。



「遅かったね?」


「すみません、お礼伝えるだけだったのに話に盛り上がっちゃって......」