後輩くんは溺愛を隠せない



これは、デートなの......?


仕事の取材も兼ねてるけど、デートと言われると意識してしまう。



「しゅ、取材もするんだからね!」


「わかってますよ~、あ、こっちですね」



夏樹くんからは軽い返事が返ってきた。


そして、ぱっと手を掴まれて歩き出す。



「な、な、夏樹くん!?」


「なんですか、紗知先輩?」



手を掴まれた途端、ドキドキと早くなる鼓動。


びっくりして裏返った声の私とは違い、夏樹くんは何事もないような顔をしていた。


手首を掴まれて、引っ張られている......では無く、“手を繋いでいる”のだ。



「こ、これ!」


「ん?念の為です。紗知先輩が変な人に引っかからないようにしないと」



私に声をかけるもの好きなんていないと思うけど......。



「いいじゃないですか。気にしないで行きますよ」



夏樹くんはそう言うけれど、私は気にするし、気になるから。


なんて、そんな思いは伝わらず手を繋いだまま教えて貰った道を進んだ。