後輩くんは溺愛を隠せない



予約の時に聞くのはそのままだったけれど、その後のことは予想外だ。


記録が残っていても、同じお客様ならまだしも、他の方には使えないと思っていた。



「はい。全て残っています」


「初めてのお客様でも、同じ方法で準備をしているんですか?」



夏樹くんから始まった質問なのに、私も聞いてしまっている。


ごめん、夏樹くん......、と思ってチラッと横を見ると真剣な顔でメモを取っていた。


気にしてなさそうだ。



「そうです。初めての方は好みを聞いから、以前同じような好みの方が居なかったか探します。それを参考に部屋やおもてなしを考え、私達は準備しています」



たしかに好みは人それぞれだけれど、同じような系統の人は沢山いる。


その中から探すのは大変だけれど、それもお客様を思っての仕事。


すごく勉強になる。


私も夏樹くんに置いていかれないよう、メモを取りながら聞いていった。



***



「ありがとうございました」