夏樹くんが、私の顔を覗き込むように言った。
いつもより距離が近く、自然と意識してしまう。
「だ、大丈夫......」
私がそう答えた時、電車のドアが閉まり動き出した。
「......」
「......」
お互いに、電車に揺られながら無言が続いた。
前に電車乗った時も思ったけれど、こうして近くで経っていると、夏樹くんと私の身長差がすごいわかる。
私の目線の高さには、胸板がーー、腹筋割れてるのかな......。
スラッとしているけれど、無駄な肉はなさそうな夏樹くん。
ずっと胸板を眺めているのも気まずく感じ、私はチラッと上を見上げた。
すると、夏樹くんもこちらを見ていてバチッと視線が合う。
「どうしたんですか?」
夏樹くんが、耳元に顔を寄せて小声で言った。
私の耳に息がかかり、背筋がゾクッとする。
「っ......なんでもない!」
電車の中なのもあって、私の返事も小声になった。
なんだか、夏樹くんと居ると調子が狂う。



