「俺がその涙…止めてやる」
その言葉と同時に
唇に熱いものがふわりと当たった
「え…?」
キス…された…?
わたしの思考が止まったとき
彼はゆっくりと顔を離した
そしてまた抱き締める
「泣き止んだな」
耳元でクスクス笑っている
「俺な…お前が好きなんだ」
「え?」
「黙って聞いとけ」
頭をコツンと叩かれ胸板に押し当てられた
「入学式のとき俺、三咲に一目惚れした」
三咲って…下の名前
「んで、1年生のとき手伝ったの覚えてるか?
俺忘れものって嘘ついて三咲についていったんだ」
そう…だったんだ
「それから好きで好きで仕方なかった
告白したいと思った。でもフラれたら
どうしようって悩んで…できなかったんだ」
ごめんな…先言わせて
司くんは弱々しくわたしに言った
それは違うと思い
首をふった


