「これ伊藤の字だよな」



そう彼は中身を見せてきた


わたしは見たくなくて顔を背けた



「その反応は…やっぱり」



もう仕方ないか
最後に渡して去ろう



わたしは無言でチーズケーキを取り出した



そして彼の前に行き差し出した


「これ…あげるために呼び出そうとしたんだ
でももう必要なくなっちゃった」



いらないなら捨ててくれて良いから
と最後にボソッと呟き渡した



あぁ、なんでこうなったんだろう
狂ってしまった。放課後に渡すはずだった。
好きと伝えるつもりだった。

でも最後に伝えたのは
いらないなら捨ててくれて良いから
だった