下がった頭を呆然と見ていると。

「親父。」と、ポンと肩を叩いて起こす兄貴。

土下座??

『すまない』???

「彰人、聞きたいことは沢山あるだろうけど………。
もうちょっと、俺達に付き合ってくれないか?」

そう切り出したのは、長男で会長の貴文だ。

付き合う?

何処にかも言わず、席をたつと玄関に向かう。

もう、何がなんだかサッパリ解らない。

こうなったら、言われるがままについていくしかない。

靴を履いていると

隣に来ていた寧々が、そのまま車に乗り込んできた。

「おおパパの後に着いて行ってね。」

何処に向かうかさえ言わない寧々に

もう諦めて、流れに身を任せる。

兄貴の車が向かうのは。

今来た方向だ。

後少ししたら、商店街の中にあるおばさんの家で。

俺と寧々が住んでる家だ。

大通を右に曲がり、小高くなった山道に入る。

ここを進むと、在るのはお寺だけだ。

5分走って、やはりお寺の駐車場に着いた。

兄貴の隣に停めて…………車を降りた。

………………………………寺??