「そっかぁ。
黄色が好きだったんだね。
後は、何か記憶がある?」

「う~ん…………………。
誕生日に、ホットケーキでお祝いしてもらったことかなぁ。
ケーキを買う金がなかったからだろうけど。
一緒に作って食べたのは、嬉しかったよ。
今は、色んなケーキやデザートを沢山食べるけど。
兄貴が俺の為に作ってくれたプリンと一緒に作ったホットケーキは
俺にとっては、特別かな?」

小さいアパートの二階の部屋で

ボールがなくて、鍋で作るホットケーキ。

幼い俺が混ぜる粉を

エプロンを着けた母親が、笑いながら支えてくれていたのを思い出した。

「少し焦げのついたホットケーキが……………
ホントに美味しかったんだよなぁ。」

懐かしむ俺を見て「フフッ」と笑い

「ちょっとメールするね。」と、何処かに連絡をする。

たぶん兄貴のところだろう。

後少しで着くことを連絡しているはずだ。

寧々の気持ちが、メールに向いたのを良いことに。

もう少し、懐かしい思い出に浸ることにした。