おまけに、俺は………寧々と同じような境遇で育ち

同じような気持ちを理解できるけど。

俺の生い立ちを知らない寧々にしてみれば。

自分一人が感じている孤独だもんな。

………………………………………………話すかぁ。




今日までは………

俺の生い立ちを話すことが、女々しく感じていた。

『同じような境遇だろう!』

『俺も同じくらい辛くて苦しかったんだ。』

『今も、トラウマに苦しめられる。』と

自分の不孝自慢をするようで、気が引けていた。

けど………

今の寧々の、我慢や遠慮を聞いて。

俺が話すことで、寧々の気持ちが楽になるような気がしたんだ。

「…………………寧々。
水族館は、後回しにしても良いかぁ?
ちょっとゆっくり話したくなったんだ。
俺の生い立ちについて聞いて欲しいって………
前に言ったよなぁ?
今なら、話せるから。」

いきなりデートを中断してまで話したいという俺に。

初めはポカンとし……………

それから笑顔になって。

「嬉しい。
聞かせて!」と………………。