「そんな事より。
ホントにモテるって、自覚ないの??
さっき先生が遠回しに嫌味を言ったのだって。
看護師さん達が『目をつむっててもカッコいいから
早く目を開けた顔が見てみたい。』って噂してて面白くないからだからね!!
おまけに大手企業のエリートリーマンで。
お兄様は、会長と社長とくれば
みんな色めき立つよ!
私なんて『妹さん?』って、何人の人に聞かれたことか。」

へぇ~。

確かに、世の中の女の子が考える良い条件だとは知っている。

そこそこ言い寄られた事もある。

俺が気になるのは、そこじゃなく…………

寧々の反応だ。

…………………もしかして、ヤキモチ妬いた?!

「妹さん?って聞かれて、寧々はなんて答えたんだ?」

「…………………姪ですって…………。
あっ!
別に彰人君と年の差があるから、そう言ったんじゃないからね!!
ただ……………
私達がつき合ってるって………
あまり触れ回らない方が………彰人君の迷惑に………ならないかな?って……。
咲ねぇも、昔はそう言ってたって………聞いて。
相手の立場を考えると………ねぇ。」

何気を回してるんだって、言ってやりたいが。

咲がそこを気にして悩んでたのも知ってるし。

寧々が人一倍、気遣いする子だってことは………

俺が一番知っている。