「ええっ、そうだったんだぁ!
彰人君、寧々と一緒にいて………幸せだった?」

そう言って笑顔を見せてくれる寧々。

やっぱり、コイツは最高の彼女だ。

ホンの少し前まで

いつか時がきたら、手放してやれると思ってたことが不思議だ。

「寧々、大きくなったな。」

「なぁに、今更~
そんなこと言ってると、おじさんになっちゃうよ。」

照れから、敢えておじさんのように言ったが。

本音は………『良い女になったな。』…………だ。

ホント、良い彼女だ。



「ねぇ、彰人君。
今なら、荷物もそのままだし。
帰らないで、マンションで彰人君が退院するまで待ってようか?」

俺の本音を聞いたからか

寧々が心配そうに、聞いてくる。

確かに、退院して一人のマンションに帰るより。

寧々が待ってる方がいいに決まってる。

おばさんも、一緒にいることに賛成してくれてるし………。

…………………けど。

俺も男として………プライドがある。

いくら精神的に弱っていたとしても。

高校生の彼女を、ずるずる同棲に引き込むつもりはない。

大切な寧々だから。

家族になる時は、キチンと挨拶して………

みんなに祝福されて、迎えたい。

だから、例え痩せ我慢でも

「今は、いい。
寧々は高校生らしく、勉強と自分の将来について悩み
自分の時間を大切にしろ。
卒業して、大学に進んで………
いつか一緒になる時までは、おばさんの元で過ごせ。」と……。