成長し、逞しく育った寧々に思いを馳せている間に

寧々のスピーチは、終わっていた。

沢山の拍手に、目を潤ませる。

ご苦労さん。

これから、頑張れよ。

口パクで伝えた筈なのに

俺を見て微笑む寧々。

長い時間一緒にいたんだなぁ。

後少しで俺達は、父親・母親になる。

これから子育てを通して、まだまだ一緒に生きていく。

大変なこと

イライラすること

不安になること。

沢山の感情に、押し潰されそうにだってなるだろう。

けど、ここには沢山の愛情がある。

初めは、同情や憐れみも含まれていたかもしれない。

けど……

今は、愛されていると自信を持って言える。

だから、もし不安になったらみんなに助けてもらう。

寧々も俺も苦手だった甘える行動。

この街をつくってくれたことが、甘えていいってメッセージなんだろう。

だから、目一杯頼りにしてる。

寧々が言う『仕事と家庭の両立』は、大丈夫な気がしてきた。