そのご褒美は、ありがたく頂きなさい。

俺の努力の結晶でもあるんだから。

寧々の受験勉強の間、俺の仕事は大忙しだった。

原因は、寧々の受験変更。

寧々に会社を継がせて一緒に働く予定だった兄貴達。

しかし現実は大きく変わり。

寧々はみんなの将来を考えて、介護職につくと言い出した。

慌てたのは兄貴達。

直ぐに事業の拡大を俺に命じてきた。

内容は、介護老人向けマンション。

今までにも幾つも建っているが。

家族が一緒に住める………というのがみそだ!

年をとり、介護が必要になるとどうしても家族と別れて

老人ホームに入るようになる。

もしくは、家族が頑張って介護する。

寧々が兄貴達を看ると言うが、負担はかけたくない。

けど、離れて老人ホームは嫌。

…………………。

そこで兄貴達が考えてのが、介護老人ホームつき家族型マンション。

これなら家族が離れず、負担もかけずに生活できる。

…………………って、完璧寧々のための事業だよな。

もちろんここに、俺と寧々は住み。

寧々は、ここに就職する。

兄貴達もそれぞれ住み…………

寧々とずっと一緒にいる算段だ。

ホント…………頭が痛くなるほどアホな仕事だ。

それを

大企業のトップ達が当たり前のように造ってしまうんだから………。

命じられた平社員の俺は…………

『ハイハイ。』と返事をして、何とか今日までに作り上げた。

…………………それが、寧々への合格祝いだから。

ホント………この会社、大丈夫かぁ?