桜の咲く頃……… 君を想う

「桜ちゃんがそう言ってくれるなら………
お父さん、行ってみない?」

普段、誘うことのない俺の申し出に嬉々としてはしゃぐお袋。

「桜ちゃんと一緒に過ごせるなら行くかぁ!」

桜がお気に入りの親父は、二つ返事でオッケーだ。

「だったら、明日は早く出よう。
さぁ、寝るぞ!」

あれほど寝るのを渋っていた親父は、サッサと腰を上げる。

ホント、現金だよ…………。





「先生、ごめんなさい。
無理してない?」

自分の親に、あれほど優しくしてくれる桜。

今度は俺に気を使ってる。

ホントに良い子だよ。

「俺は大丈夫。
まぁ、桜と二人で過ごせる時間が減るのは不満だけど。
それより、約束守ってね。」

「はい!」

無邪気な桜に………罪悪感。