桜の咲く頃……… 君を想う

お父さんに許しをもらって…………

次の週末には、俺の実家に顔を出した。

「まぁまぁ!いらっしゃい。
遠くて疲れたでしょう?
さぁ、上がって上がって。」

桜の家とは違い、田舎の俺の実家は…………

桜には衝撃だったようだ。

前もって『田舎のおじさんとおばさんだよ。』とは話していたが。

田舎が初めての桜には、想像が出来てなかったようだ。

「……………………先生のお家って…………動物園??」

庭先にはヤギとニワトリと犬。

裏の畑の奥には、馬が二頭。

確かに、動物園だ。

「残念ながら、動物園じゃないよ。
まぁ、桜にしたらそう見えるだろうけど。
おぉ、シロただいま。」

顔を寄せてくるヤギの頭を撫でていたら、玄関のドアが開いた。

「ワァ!
スゴい!!」

桜の驚きにびっくりしてたら

「まぁまぁ…………」と、割烹着を着たお袋が顔を出した。

桜は、あれほど練習していた挨拶も出ない程驚き

目をパチクリしている。

「桜、これ…………お袋。
お袋、こちらが桜さん。」

「あっ!
初めまして。
木下桜です。」

「桜ちゃん、待ってたわ。
さぁ、上がって。
挨拶は後でゆっくりしましょ。
どうぞ。」といつもは出さないスリッパを出して、招き入れた。