なんだ、その可愛い想像は!!

そんな事を想像していたのかと思うと…………

料理よりも、まず俺の奥さんになって欲しくなった!!

スッと抱き上げると

「キャッ!」と驚いた桜の声が聞こえた気もしたけど………。

今はそれよりも、これからすることの緊張で頭に入らなかった。




リビングまで抱いたまま運ぶと

ソッとソファーに降ろして……………向かい合い。

目を………………しっかりと見つめて。

「桜。
……………………桜さん。
僕と…………結婚して下さい。」と告げた。

クッションの後ろに隠しておいた、小さな箱を取り出して

桜の左手………………薬指にはめると………。

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長い沈黙。




聞こえてくるのは……………彼女のすすり泣く声だけ。

……………………………………もしかして…………急ぎ過ぎた??

ムードも何もない、リビングのソファーだと………

やっぱり嫌だったか??

……………思い出に残るところが良いよなぁ。

「ごめん!!
やっぱり今の無し!!」

そう言って引っ込めようとしたら……………。

「…………………………嬉しいです。」と

蚊の鳴くような小さな声が聞こえた。

告白に引き続き

プロポーズまでぐだぐだになってしまったというのに

『嬉しい』と言って、涙を流してくれた彼女。

やっぱりあの頃のままだ。

…………………大切にしなければ………と心に誓った。