「つき合いにも、結婚にも反対はしません。
一人娘の桜が、誰かのものになるのは………
男親としては、面白くない思いもありますが。
それと同時に
桜が一生を共に過ごしたいと思える相手を見つけたことは
喜ばしいことなので…………。
ただ、今のまま嫁に出すのは不安です。
あまりにも世間に疎い娘が、苦労をすることは…………
目に見えてるので。
親としては、少しでも幸せになれると安心出来ないと送り出せないのです。
亨君。
申し訳ないけど………
私達を安心させるよう桜を指導してもらえないだろうか？」と………。

確かに。

つき合って直ぐ気づいた、彼女の危ない行動。

俺も、一緒になるなら指導したいと思っていた。

このままだと、たとえ専業主婦だとしても…………

おちおち置いて仕事に行けない。

まして、子供が出来たら………と思うと

お手伝いさんをお願いしたくなる。

もちろん、お手伝いさんをつけるという方法もある。

俺の収入だったら、可能だ。

だけど、子育てや家事を一生お願いするのはどうかと思う。

出来るだけ、桜の手でやって欲しい。

その為には、やっぱり今から指導していく必要がある。

まさか…………結婚の落とし穴が、こんなところにあったとは…………。

桜らしくて笑ってしまう。