嬉しくなっていたら………。

「ちょっと、どうでも良いけど………早くお願い。」と

夏苗ちゃんに催促された。

「ハイハイ。
ホント、春人の嫁は強ぇ~!」って

二人………顔を近づけて、クスクスと笑い。

「また怒られると恐いから……早く持って行こう!」と

彼女の持っていたビールを持ち

代わりに、空のグラスを二つ渡した。

目が合うと、嬉しそうにはにかむ彼女。

もしかして………………さい先良いスタート?



リビングに集まり、料理をつついていたら

話題はこの間の、春人達の結婚式に…………。

女の子は、ブーケやドレスの話に夢中だ!

「もっと強引に、ブーケを取りにくれれば良かったのにぃ!
桜だって、欲しかったんでしょ?」と夏苗ちゃんが怒って言えば。

「だって…………。
私は、貰っても…………相手がいないから…………。」と

「だったら、先生なんて良いんじゃない?
未だに独身のオジサンなんだし!」と容赦のない突っ込みに

飲んでいたビールが気管に入る。

むせる俺の背中を「大丈夫ですか?」と慌てて擦ってくれる桜ちゃんに

こんな生活も良いなぁなんて想像してたら

後藤君まで「こうやって見ると、中々お似合いですよ!」と。

急に恥ずかしくなった彼女は

「キャッ!」と言って、手を引っ込めた。

チッ!

思わず舌打ちすると。

「ワァ~怖い~
桜ちゃんに嫌われちゃうよ~」とからかう春人。

目を合わした桜ちゃんは

「そんな事ないです!!」と慌てて取り繕ってる。

彼女は悪くないのに。

そんな姿も可愛い。