「乾杯!!」

「おめでとう!」

春人達の結婚と後藤君達の妊娠のお祝いに集まった週末。

俺は、春人達の結婚式以来1ヶ月ちょっとぶりの彼女を見た。

妊婦の玲奈ちゃんに使われながら

甲斐甲斐しくお世話する姿を、微笑ましく眺めていたら。

ツンツンと俺の袖を引っ張る人物が…………。

横を見ると夏苗ちゃん。

目線だけで

『追いかけろ。』と合図され………

あぁ!と手伝いに行く。

「俺も手伝うよ。
桜ちゃん、一緒にやろう。」

先日の情報を元に

少し照れながら、彼女の名前を呼んでみた。

「桜…………ちゃん………??」

急に名前を呼ばれ、戸惑う彼女に

「ごめんね。
馴れ馴れ過ぎだった?
後の二人が結婚して名前が替わったから………
ちゃん付けで呼んでるんだ。
だから…………木下さんも名字より
『桜ちゃん』の方が良いかな?って思って。
………………嫌だった??」というと。

「あっ、すみません。
嫌だなんて…………そんな事ないです……………。
ただ、学生じゃないんだなぁって驚いただけです………。」と返ってきた。

これは思わぬ収穫だ!

一人だけ『木下さん』だと嫌だと聞いて

替えた呼び方だったけど。

学生の頃の先生と生徒の関係じゃないと

少しでも思ってくれれば…………先に進みやすい。