一通り撮り終えて、テーブルに戻る彼女に。

「二次会に参加する?」と

これからの予定を聞いた。

「参加する。」と答えたから

教頭に

「披露宴が終わったら、直ぐに帰って来て欲しい。」と言われていた事が

頭の中によぎったけど………

少しだけでも参加することに決めた。

先生は参加するのかと聞かれ。

「少し顔を出して仕事に戻る」と話すと

「大変ですね。
体調には気をつけて下さいね。」と

あの頃と同じ気づかいをされた。

彼女の変わらぬ優しさに

図書室の恋を思い出し………『諦める』という文字が

頭から抜けていった。



二次会は、ざっくばらんなパーティー。

披露宴は夏苗ちゃんのお爺さん関係の政治家や

春人サイドの、病院や社長クラスのお偉いさんも来ていて

かなり格式張っていたから。

昔の仲間や夏苗ちゃんの仕事の幼稚園の先生達が参加してる

この空間は、ホントにホッとする。

木下さんもそうみたいで。

のんびり屋の彼女は、さっきからぼぅっとしている。

あのまま寝ちゃわないか?

不安を感じながら、少し離れた席の彼女の様子を確認する。